一般精神科症状

当クリニックで診療している
主な症状

発達障害

発達障害は、発達障害特有の特性による日常生活・社会生活に必要な適応スキルの習得や習熟の困難による生活上のさまざまな問題のすべてを満たすときに診断されます。特有の特徴がみられても、生活上の困難がなければ診断はされません。つまり、発達障害の診断は、特性と生活上の困難の両方があるというその時点での状態を意味する状態診断といえます(宮本信也、2019)。成長するにつれ、自分自身のもつ不得手な部分に気づき、生きにくさを感じることがあるかもしれません。

発達障害

ですが、発達障害はその特性を本人や家族・周囲の人がよく理解し、その人にあったやり方で日常的な暮らしや学校や職場での過ごし方を工夫することが出来れば、持っている本来の力がしっかり生かされるようになります。
発達障害はいくつかのタイプに分類されており、自閉症、アスペルガー症候群、注意欠如・多動性障害(ADHD)、学習障害、チック障害、吃音(症)などが含まれます。これらは、生まれつき脳の一部の機能に障害があるという点が共通しています。個人差がとても大きいという点が、「発達障害」の特徴といえるかもしれません。

自閉スペクトラム症には自閉症、アスペルガー症候群、そのほかの広汎性発達障害が含まれます。症状の強さに従って、いくつかの診断名に分類されますが、本質的には同じ1つの障害単位だと考えられています。以下のような特徴が挙げられます。

  1. 状況にあったコミュニケーションや対人行動がうまくできない
  2. 特定の同じ行動や活動あるいは同じ事柄への関心をいつも示す

幼児では知能障害を伴う場合は1歳台で、人の目を見ることが少ない、指さしをしない、ほかの子どもに関心がない、などの様子がみられます。また、保育所や幼稚園に入ると人との関わり方が独特なことで気づかれることがあります。
知能障害がない場合は、言葉を話し始めた時期は遅くなくても、自分の話したいことしか口にせず、会話がつながりにくい、自分の好きなことや興味のあることには熱中するのに、初めてのことや決まっていたことの変更は苦手で時間がかかることがあります。
思春期や青年期になると、自分と他の人との違いに気づいたり、対人関係がうまくいかないことに悩んだりし、不安症状やうつ症状を合併する場合があります。就職してから初めて、仕事が臨機応変にこなせないことや職場での対人関係などに悩み、自ら障害ではないかと疑い病院を訪れる人もいます。

幼児期など早期に診断された場合には、個別や小さな集団での療育を受けることによって、コミュニケーションの発達を促し、適応力を伸ばすことが期待できます。言葉によるコミュニケーションに頼りすぎず、視覚的な手がかりを増やすなどの環境面の工夫をすれば、子どもの気持ちが安定し、パニックが少なくなることが期待できます。

自閉スペクトラム症は幼児期から成人期を通して、身近にいる親や配偶者が本人の特性を理解しているかがとても重要です。
本人が安心するだけでなく、周囲に特性を伝えることにより、本人にふさわしい学校や職場環境が整い、支援の輪が広がっていきます。

発達年齢に見合わない多動‐衝動性、あるいは不注意、またはその両方の症状が、12歳までに現れます。多動‐衝動性優勢型、不注意優勢型、混合型に分類されます。

  • 多動‐衝動性の症状
    座っていても手足をもじもじする、席を離れる、おとなしく遊ぶことが難しい、じっとしていられずいつも活動する、しゃべりすぎる、順番を待つのが難しい、他人の会話やゲームに割り込む、など
  • 不注意の症状
    学校の勉強でうっかりミスが多い、課題や遊びなどの活動に集中し続けることができない、話しかけられていても聞いていないように見える、やるべきことを最後までやりとげない、課題や作業の段取りが下手、整理整頓が苦手、宿題のように集中力が必要なことを避ける、忘れ物や紛失が多い、気が散りやすい、など
  • 多動症状
    一般的には成長とともに軽くなる場合が多いですが、不注意や衝動性の症状は半数が青年期まで、さらにその半数は成人期まで続くと報告されています。また、思春期以降になってうつ症状や不安症状を合併する人もいます。

幼児期や児童期に診断された場合には、薬物療法と行動変容、そして生活環境の調整が行われることが多いです。

薬物療法

脳内の神経伝達物質であるノルアドレナリンやドーパミンの不足を改善する薬を服用します。

生活環境の調整

勉強などに集中しないといけないときには本人の好きな遊び道具を片づけ、テレビを消すなど、集中を妨げる刺激をできるだけ周囲からなくすことが重要です。また、集中しないといけない時間は短めに、一度にこなさなければいけない量は少なめに設定し、休憩をとるタイミングをあらかじめ決めておくことも効果的です。

全般的な知的発達には問題がないのに、読む、書く、計算する、聞く、話すまたは推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を指すものと定義されます。

よくある誤解
  • 形態の整わない文字を書く
  • 目の問題で起こる
  • 字が浮き上がって見えたり動く
  • 字が浮き上がって見えたり動く
  • 大きくすれば読める
  • 読めるようになるフォントタイプがある
  • 色付き透明フィルターで読めるようになる

発達性読み書き障害がある子どもの多くは、小学校入学後、ひらがな習得に困難な場合には徐々に学力が落ち中学校入学後は、英語の読み書きに困難を生じます。
音韻能力の関与が、日本語の文字体系より英語に強く影響するからです。高校へ入学すると伸び伸びと学校生活を送るようになりますが大学進学後は面接試験で採用される就職先に進むことが多いです。成人になった発達性読み書き障害例には、周囲の人々の受け入れが十分ではないなど問題となる場合も多く、発達性読み書き障害の正しい理解と社会での受け入れが求められています。

適応障害

適応障害は、ある特定の状況や出来事が、その人にとってとてもつらく耐えがたく感じられ、そのために気分や行動面に症状が現れるものです。
生活の変化や出来事がその人にとって重大で、憂うつな気分や不安感が強くなった結果、涙もろくなったり、過剰に心配したり、神経が過敏になったりします。また、無断欠席や無謀な運転、喧嘩、物を壊すなどの行動面の症状がみられるなど、普段の生活がおくれないほど抑うつ気分、不安や心配が強く、それが明らかに正常の範囲を逸脱している状態といえます。

適応障害

ストレスとなる状況や出来事がはっきりしているので、例えば仕事上の問題がストレスの原因の場合、それから離れると、症状は次第に改善します。 しかしストレス因から離れられない、取り除けない状況では、症状が慢性化することもあります。そういった場合は、カウンセリングを通して、ストレスフルな状況に適応する力をつけることも、有効な治療法です。
また、適応障害と診断されても、5年後には40%以上の人がうつ病などの診断名に変更されるなど適応障害は実はその後の重篤な病気の前段階の可能性もある疾患です。

※ 統合失調症、うつ病などの気分障害や不安障害などの診断基準を満たす場合はこ ちらの診断が優先されることになります。

主な治療方法

カウンセリング(認知行動療法、問題解決療法)、薬物療法(ただし対症療法となります)

適応障害の治療のひとつは以下のように「ストレス因を除去すること」です。

  1. ストレス因に対しての本人の適応力を高める
    ストレス耐性は人それぞれ異なるため、本人のストレス耐性に合わせたアプローチを行なっていきます。
  2. 情緒面や行動面での症状に対してアプローチ
    環境調整=ストレス因が取り除ける、あるいは回避できる行動をとるなど上記の対処がが難しい場合は次のステップが必要です。
  • 認知行動療法
    ストレス因に対する受け止め方にはパターンがあることが多くみられます。このパターンに対してアプローチしていくカウンセリング方法です。
  • 問題解決療法
    現在抱えている問題と症状自体に焦点を当てて協同的に解決方法を見出していく方法です。
  • 薬物療法
    情緒面や行動面での症状に対しては、薬物療法という方法もありますが、適応障害の薬物療法は対症療法となるため根本的な治療ではありません。
ストレスとは?

ストレスとは「重大な生活上の変化やストレスに満ちた生活上の出来事」です。ストレス因は、個人レベルから災害など地域社会を巻き込むようなレベルまで様々です。
また、ある人はストレスに感じることがほかの人はそうでなかったり、個人のストレスに対する感じ方や耐性も大きな影響を及ぼします。

パニック障害・不安障害

突然理由もなく、動悸やめまい、発汗、窒息感、吐き気、手足の震えといった発作を起こし、そのために生活に支障が出ている状態をパニック障害といいます。 パニック発作を起こすと死んでしまうのではないかと思うほど強く、自分ではコントロールできないと感じます。そのため、また発作が起きたらどうしようかと不安になり、発作が起きやすい場所や状況を避けるようになります。
特に、電車やエレベーターの中など閉じられた空間では「逃げられない」と感じて、外出ができなくなってしまうことがあります。 パニック障害では薬による治療とあわせて、少しずつ苦手なことに慣れていく心理療法が行われます。

無理をせず、自分のペースで取り組むことが大切です。周囲もゆっくりと見守りましょう。
パニック障害は、パニック発作から始まります。はじめはパニック発作だけですが、発作をくりかえすうちに、発作のない時に予期不安や広場恐怖といった症状が現れるようになります。また、うつ症状をともなうこともあります。

  • パニック発作
    予期されないパニック発作を繰り返すのは、パニック障害の特徴的な症状です。 「予期しない発作」とは、状況などに関係なく起きる発作のことをいいます。したがって、寝ている時に発作が起きることもあります。
    パニック発作はパニック障害でなくても、閉所恐怖症の人が狭い場所に閉じこめられたりした時に発作を起こすことがあります。ただしこれは特定の状況に直面した時に起きる反応で、パニック障害でみられる「予期しない発作」ではありません。
  • 予期不安
    パニック発作をくりかえすうちに、発作のない時も次の発作を恐れるようになります。「また起きるのではないか」「次はもっと激しい発作ではないか」「今度こそ死んでしまうのでは」「次に発作が起きたら気がおかしくなってしまう」といった不安が消えなくなります。これが「予期不安」で、パニック障害に多くみられる症状です。
    このほかにも、いつ発作が起こるかという不安のあまり、仕事を辞めるなどの行動の変化が起きるようになるのもパニック障害の症状のひとつです。
  • 広場恐怖
    そこに行くと発作が起きそうな気がする、苦手な場所がある、発作が起きた時、そこから逃れられないのではないか、助けが得られないのではないか、恥をかくのではないか、と思える苦手な場所ができて、その場所や状況を避けるようになります。
    これを「広場恐怖」といいます。苦手な場所は広場とは限らず一人での外出、電車に乗る、美容院にいくなど、人によって恐怖を感じる場所は様々です。
    広場恐怖が強くなると仕事や日常生活ができなくなり、また引きこもりがちになるので友達との人間関係にも影響が出てきます。一人で外出できなくなるので、人に頼っている自分自身を情けなく思う気持ちも強まっていきます。

パニック障害の治療には薬による治療と精神療法的アプローチがあります。
薬物による治療の目的には、「パニック発作を起きなくさせる」ことが第一目標で、次いで「予期不安や広場恐怖もできるだけ軽減させる」も目標になります。薬を服用することや治療全般に不安や疑問がある場合は、遠慮せずに医師に相談して解決するようにしましょう。薬が効き始めて発作が起こらなくなってきたら、苦手だった外出などに少しずつ挑戦することも治療の一環になります。
ただ、無理は禁物なので医師やカウンセラーと相談しながら、一歩一歩ゆっくりと前進していくつもりでとりかかってください。

社交不安

恥ずかしい思いをすること、失敗することや、人から見られること、評価をくだされることに恐怖を感じ長年悩んでいる方は社交不安症の可能性があります。

社交不安

よくみられる特徴としては以下のような症状が挙げられます。

  • 人と会わなければならないときに何日間も悩む
  • 顔が赤くなる
  • たくさん汗をかく
  • 震える
  • 吐きそうになる
  • 人と関わる場面を避ける(無理に耐え忍んでいたり)
  • 恐怖を追い払うために飲酒することが多い

社交不安症は、典型的には10代半ばで発症しますがより若い年齢での発症も見られます。また、人前で恥をかく・叱責される体験など、明確なきっかけをもって発症すること もあれば、徐々に発症したため明確な時期を特定できないような場合も多くみられます。
社交不安症になるまでは明るく社交的だったというタイプの場合と小さいころから内気だったというタイプがあり、後者はいつ発症したかを特定することは難しいです。

社交不安症を発症すると経済的に自立できない(達者とうまくかかわれないために定職につけない)、結婚率が低い、友人関係が少ない、ひきこもりになるなど社会生活 上の障害が大きくなります。重度の社交不安症は回避性パーソナリティ障害と質的に違いがなく、うつ病や依存症、自殺関連行動を併発しやすくなります。

主な治療方法

薬物療法(セロトニン再取り込み阻害薬、補助的にβブロッカーやその他の抗不安薬)、精神療法(認知行動療法や社会技能訓練、対人関係療法)

社交不安の治療は薬物療法と精神療法のどちらもが効果的であることが示されています。

  • 薬物療法
    薬物療法では主にセロトニン再取り込み阻害薬を使用し、補助的にβブロッカーやその他の抗不安薬が用いられます。できるだけ十分な期間服薬することが重要で、症状 が回復しても1年間継続して服用したほうが再発を減らせると言われています。
  • 精神療法
    認知行動療法や社会技能訓練、対人関係療法が有効とされています。いずれの精神療法も薬物療法と組み合わせて行うとより効果的です。

全般性不安障害・強迫性障害

強迫性障害は、自分でもつまらないことだとわかっていても、そのことが頭から離れない、わかっていながら何度も同じ確認をくりかえしてしまい日常生活にも影響が出てきてしまう病気です。
意志に反して頭に浮かんでしまって払いのけられない考えを強迫観念、ある行為をしないでいられない(例えば、不潔に思えて過剰に手を洗う、戸締りなどを何度も確認せずにはいられない)ことを強迫行為といいます。こころの病気であることに気づかない人も多いのですが、治療によって改善する病気です。「しないではいられない」「考えずにいらない」ことで、つらくなったり不便を感じるときには、相談してみましょう。

たとえば、戸締まりや火の元を何度も何度もしつこく確認しても安心できなかったり、特定の数字にこだわるあまり生活が不便になったりしている場合は「強迫性障害」かもしれません。強迫性障害は不安障害の一種で、生活上の機能障害をひきおこす10大疾患のひとつにあげられています。

  • 不潔恐怖と洗浄
    恐怖から過剰に手洗い、入浴、洗濯をくりかえすドアノブや手すりなど不潔だと感じるものを恐れて、触れない。
  • 加害恐怖
    誰かに危害を加えたかもしれないという不安がこころを離れず、新聞やテレビに事件・事故として出ていないか確認したり、警察や周囲の人に確認する。
  • 確認行為
    戸締まり、ガス栓、電気器具のスイッチを過剰に確認する(何度も確認する、じっと見張る、指差し確認する、手でさわって確認するなど)。
  • 儀式行為
    自分の決めた手順でものごとを行なわないと、恐ろしいことが起きるという不安から、どんなときも同じ方法で仕事や家事をしなくてはならない。
  • 数字へのこだわり
    不吉な数字・幸運な数字に、縁起をかつぐというレベルを超えてこだわる。
  • 物の配置、対称性などへのこだわり
    物の配置に一定のこだわりがあり、必ずそうなっていないと不安になる。
  • 日常生活、社会生活に影響が出ている
    手洗いや戸締まり確認に時間をとられる、火の元を確認しに何度も家に戻る結果常に約束に遅れるといった弊害や、日々の強い不安や強迫行為にかけるエネルギーで心身が疲労して健全な日常生活が送りにくくなってきます。
  • 家族や周囲の人が困っている
    火や戸締まりの確認を家族にも何度も繰り返したりアルコール消毒を強要するなど、周囲の人を強迫観念に巻き込むことも多くなります。その結果人間関係がうまくいかなくなっていきます。
    自分では「病気というほどひどくない」と感じていても、家族や友人など周囲の人が困っている様子なら、念のため受診を考えるのもいいかもしれません。

強迫性障害の治療には、認知行動療法と精神療法を組み合わせるのが効果的だとされています。再発予防効果が高い「曝露反応妨害法」が代表的な治療法です。

  • 曝露反応妨害法
    患者さんが強迫観念による不安に立ち向かい、やらずにはいられなかった強迫行為をしないで我慢するという行動療法です。根気強く続けることで強い不安が弱くなっていき、やがて強迫行為をしなくても大丈夫になっていきます。
    患者さんの多くは、強迫性障害状や抑うつ、強い不安感があるので、まずセロトニン再取り込み阻害薬で状態を安定させてから、認知行動療法に入るのが一般的です。
    なお、治療法は個々の患者さんに合わせて決定されます。自分が不安に思うこと、治療法の希望などがあれば、相談してください。

うつ病

眠れない、食欲がない、一日中気分が落ち込んでいる、何をしても楽しめないといったことが続いている場合、うつ病の可能性があります。
脳がうまく働いてくれないので、ものの見方が否定的になり、自分がダメな人間だと感じてしまいます。そのため普段なら乗り越えられるストレスも、よりつらく感じられるという、悪循環が起きてきます。
ストレスとなる状況や出来事がはっきりしているので、例えば仕事上の問題がストレスの原因の場合、それから離れると、症状は次第に改善します。

うつ病

しかしストレス因から離れられない、取り除けない状況では、症状が慢性化することもあります。そういった場合は、カウンセリングを通して、ストレスフルな状況に適応する力をつけることも、有効な治療法です。
また、適応障害と診断されても、5年後には40%以上の人がうつ病などの診断名に変更されるなど適応障害は実はその後の重篤な病気の前段階の可能性もある疾患です。

薬による治療とあわせて、認知行動療法も、うつ病に効果が高いことがわかってきています。早めに治療を始めるほど、回復も早いといわれていますので、無理せず早めに専門機関に相談すること、そしてゆっくり休養をとることが大切です。
日本では、100人に3~7人という割合でこれまでにうつ病を経験した人がいるという調査結果があります。「憂うつな気分」や「気持ちが重い」といった抑うつ状態がほぼ一日中あってそれが長い期間続く、というのはうつ病の代表的な症状です。

正しいうつ病の診断とは?

うつ病らしきた症状が見られた場合、うつ病と診断されることが多いのですが、本当は、これだけで診断がついたことにはなりません。
大うつ病と呼ばれるタイプのうつ病には一定の診断基準があり、参考になります。他に性格や環境、あるいはほかの病気やこれまで服用していた薬が関係していることもあります。

また、これまでに躁状態や軽躁状態を経験したことがある場合はうつ病でなく双極性障害(躁うつ病)の可能性があったり、統合失調症など他の精神疾患が背景にあって、抑うつ状態はその症状の一つであった、という場合もあります。
このような症状を万が一うつ病と診断されると、本当の疾患の早期発見・早期治療のチャンスを逃すことになるので、正しいうつ病の診断は、うつ病のどのタイプなのか、ほかの精神疾患である可能性はないか、などを確認することまで含まれます。

主な治療方法

その人ごとに異なる(典型的なものは薬物療法、他に精神療法や環境改善など)

うつ病は一人ひとり症状や状況が異なるため、うつ病の治療ではうつ病には色々あり、自分の症状と他人の症状は違うもので、治療法もひとつではないことを知っておくことが大切です。

  • 薬物療法
    典型的なうつ病ならば薬物療法の効果が期待できます。
  • 精神療法
    性格や環境の影響が強い場合は精神療法的アプローチや時には環境の整備が必要になります。

また、他の病気や薬が原因の場合は治療方法や薬を変えることを考えなくてはなりません。休職についても、休養が必要な場合とそうでない方がいい場合もあり、この点でも方針はひとつではありません。

認知症

認知症とは、正常に働いていた脳の機能が低下し、記憶や思考への影響がみられる病気です。認知症の症状は障害の中核となる記憶などの認知機能障害と、かつて辺縁症状(周辺症状)と呼ばれた行動異常・精神症状に大別できます。行動異常や精神症状には、不安・焦り・睡眠障害・徘徊・家族への依存・暴力および、せん妄などがあてはまります。
症状は一般的にアルツハイマー型認知症と血管性認知症の2つがあげられます。

認知症
  • アルツハイマー型認知症
    最も多い認知症で男性より女性に多くみられ、脳の機能の一部が萎縮していきます。
  • 血管性認知症
    比較的男性に多くみられ、全体的な記憶障害ではなく、一部の記憶は保たれている「まだら認知症」が特徴です。症状は段階的に、アルツハイマー型よりも早く進むことがあります。また、アルツハイマー型に血管性認知症が合併している患者さんも多くみられます。

初期は、加齢による単なる物忘れに見えることが多いでしょう。しかし、憂うつ、外出をいやがる、気力がなくなった、被害妄想がある、話が通じなくなった、外出すると迷子になる、お金の勘定ができなくなったなどのサインが出てきたときには、相談しましょう。

若くても、脳血管障害や若年性アルツハイマー病の為に認知症を発症することがあります。65歳未満で発症した認知症を若年性認知症といいます。認知症ほどではないけれど、正常な「もの忘れ」よりも記憶などの能力が低下している場合を「軽度認知障害」といいます。
もの忘れの程度がほかの同年齢の人に比べてやや強いと感じたら、念のために専門医を受診することが早期発見・早期治療につながることになります。 軽度認知障害のすべてが認知症になるわけではありませんが、この段階から治療を開始することで、認知症の進行を遅らせるなどの効果が期待されています。

もの忘れには、正常なものと認知症をうたがえるものがあります。正常なもの忘れと認知症によるもの忘れの違いの区別ができればよいのですが、現実にはなかなか難しいものです。
これが全てではありませんが、認知症に気づくためには、次のような目安が役立ちます。経験の一部を忘れるのは正常の範囲内ですが、経験全体を忘れるのは認知症のサインかもしれません。

正常なもの忘れ 認知症によるもの忘れ
もの忘れの範囲 出来事などの一部を忘れる
(例:何を食べたか思い出せない)
出来事などのすべてを忘れる
(例:食べたことそのものを忘れる)
自覚 もの忘れに気づき、思い出そうとする もの忘れに気づかない
学習能力 新しいことを覚えることができる 新しいことを覚えられない
日常生活 あまり支障がない 支障をきたす
幻想・妄想 ない 起こることがある
人格 変化はない 変化する
(暴言や暴力をふるうようになる、
怒りやすい、
何事にも無関心になるなど)

認知症のサインまではいかなくても、少しだけ正常のもの忘れが強いと感じたら、軽度認知障害の可能性も考えられます。
軽度認知障害の特徴としては、下記の4つが挙げられます。

  • ほかの同年代の人に比べて、もの忘れの程度が強い
  • もの忘れが多いという自覚がある
  • 日常生活にはそれほど大きな支障はきたしていない
  • もの忘れがなくても、認知機能の障害が1つある

※ この場合の認知機能とは、失語・失認・失行・実行機能のことです。

認知機能障害の一覧
失語
言葉の障害(言葉が理解できない、言おうとした言葉を言うことができない、など)
失認
対象を正しく認識できない:知り合いの顔、色、大小などを認識できない、など
失行
くわえたタバコにライターの火をつけられない、服を着ることができない、茶葉とお湯と急須を使ってお茶を入れることができない、など
実行機能の障害
計画をたててその計画通りに実行していくなどができない

同世代と比べてもの忘れの程度が強く、こうした認知機能にも障害があると感じられたら、軽度認知障害のサインかもしれません。

治療法には薬物療法と非薬物療法があります。このうち薬物療法は、アルツハイマー病の中核症状の進行をある程度抑える効果が期待される薬が若干あるだけで、脳血管性認知症に効果がある薬剤は今のところ存在しません。そのため、非薬物療法によって症状を抑えることが主な治療法となります。

  • 薬物療法
    アルツハイマー病では、薬物療法により中核症状の一時的な改善効果が認められていますが、効果は一時的で、進行を完全に抑えるものではありません。進行を遅らせるだけですので、できるだけ早くから治療を開始して、少しでも軽症の段階にとどめるようにすることが大切です。
  • 非薬物療法
    周辺症状は中核症状よりも介護者の強い苦痛になるため、薬物療法で症状を抑えたくなりますが、 まずは薬に頼らず、患者さんを刺激しない(例:つじつまの合わない話を患者さんがしても否定したり、叱ったりしないで耳を傾ける態度をとる)、規則正しい生活をおくるようにこころがける、環境を急激に変えないようにする、といった非薬物療法を行います。

また、認知能力を高めるためのリアリティ・オリエンテーション(常に問いかけを行い、場所・時間・状況・人物などの見当識を高める)、簡単な楽器演奏や運動などで刺激を与える、過去を回想するなどの療法を行う場合もあります。ただし、症状が進行することで、激しい周辺症状が止まらない場合は薬物治療を試すこともあります。

双極性障害(躁うつ病)

うつ病だと思いながらも、極端に調子がよくなって活発になる時期がある場合は、双極性障害(躁うつ病)かもしれません。
双極性障害は、ハイテンションで活動的な躁状態と、憂うつで無気力なうつ状態をくりかえすもので、躁状態になると、眠らなくても活発に活動したり、次々にアイデアが浮かぶ、分が偉大な人間だと感じられるといった状態になります。
本人はとても気分がよいので病気の自覚が無く、そのためうつ状態では病院に行くのですが、躁のときには治療を受けないことがよくあります。
しかし、うつ病だけの治療では双極性障害を悪化させてしまうことがあるので本人だけでなく、周囲の人も、日頃の様子や気分の波を見守り、躁状態に気づくことが大切です。

双極性障害(躁うつ病

気分の波は、誰にでもありますが、周りの人たちが「いつもとは違う」、「ちょっとおかしいのでは?」と思えるほどその気分が行き過ぎていて、そのために家族や周りの人が困ったり社会的信用を失うほどであったら、それは、双極性障害かもしれません。

双極性障害は躁状態をくりかえすうちに、家庭崩壊や失業、破産などの社会的損失が大きくなっていく他、うつ状態はうつ病と同じように死にたいほどの重苦しい気分におしつぶされそうになります。また、躁状態の時の自分に対する自己嫌悪も加わり、ますますつらい気持ちになってしまいます。
こうした躁とうつの繰り返しを治療せずに放置していると、だんだん再発の周期が短くなっていきます。

  • 眠時間が2時間以上少なくても平気になる
  • 寝なくても元気で活動を続けられる
  • 意見に耳を貸さない
  • 話し続ける
  • 次々にアイデアが出てくるがそれらを組み立てて最後までやり遂げることができない
  • 根拠のない自信に満ちあふれる
  • 買い物やギャンブルに莫大な金額をつぎ込む
  • 初対面の人にやたらと声をかける
  • 性的に奔放になる

双極性障害の治療には薬による治療と精神療法的アプローチがありますが「こころの悩み」とは異なり、カウンセリングだけで回復が期待できるものではありません。薬物療法を基本に治療法を組み立てていきます。

  • 薬物療法
    症状が多様な双極性障害は、薬の使い分けが難しい疾患です。正確なデータをとるためにも、処方された量と回数をきちんと守ることが大切です。 また、双極性障害のうつ状態に対して使う薬は、うつ病に効く薬が効かないため違う薬を使います。
  • 精神療法
    精神療法だけでは双極性障害の治療は成り立ちませんが、薬物療法と併用しての精神療法は治療を順調に進めるうえで役立ちます。双極性障害の精神療法はカウンセリングではなく、本人が自分の病気を知り、自ら病気をコントロールすることを援助するものです。自分再発の兆候に気づき対応することができれば早期に治療を始めることもできます。再発を放置することは双極性障害を悪化させることにつながるので、重要なことです。

性別違和(GID)

性別違和とは、心の性(性自認)と身体の性(または割り当てられた性)とが一致しない状態であり、自分の身体の性を強く嫌い、その反対の性に強く惹かれた心理状態「性別違和感」をもちます。
心の性は男性、身体に割り当てられた性は女性であるトランスマン(female to male: FTM)と心の性は女性、身体に割り当てられた性は男性であるトランスウーマン(male to female: MTF)とに分類されます。

性別違和(GID)

性的指向(好きになる性)は問いません。本人の望む性別表現や性役割なども多様であり、また、同じ個人でも、望む性での生活の開始、ホルモン療法の進行度、戸籍の性別変更などの要素により実現度合は変化します。世界的に見てもほとんどの報告が医療施設を受診している性別違和当事者をもとに算出した ものであり、全人口での存在率はさらに高いと考えられています。

当院では、原則として日本精神神経学会による診断と治療のガイドラインに沿って診療をしております。しかし、望む性別での生活歴や治療の進度によって柔軟に対応いたします。ホルモン治療や性別適合手術のための意見書の作成、改名・戸籍変更のための診断書作成にも対応。詳細は診察の際にお尋ねください。性別違和に限らず、医療や心理的支援を要する方の、自分らしい性のあり方を支援していき たいと思います。

睡眠障害

睡眠は、心身の疲労回復や、記憶の定着、免疫機能の強化といった役割をもち、健やかな睡眠を保つことは、活力ある日常生活につながります。
睡眠障害とは睡眠に何らかの問題がある状態をいいます。一般的には不眠症を考えがちですが、不眠症以外にも様々な病気があり、多くの人々が睡眠の問題を抱えています。

睡眠障害において眠れなくなることはよくみられますが、眠れないことイコール不眠症ではありません。環境や生活習慣によるもの、精神的・身体的な病気から来るもの、薬によって引き起こされるものなど、様々な原因があります。睡眠障害のサインや症状は大きく分けて以下の4つにまとめられます。

  • 不眠
  • 日中の過剰な眠気
  • 睡眠中に起こる異常行動や異常知覚、異常運動
  • 睡眠・覚醒リズム

夜の睡眠が障害されると、眠気やだるさ、集中力低下など日中にも症状が出現します。睡眠の問題や日中の眠気の問題が1カ月以上続くときは、何らかの睡眠障害にかかっている可能性が考えられます。
さらに、睡眠障害には不眠だけでなく、昼間眠くてしかたない・睡眠中に起きてくる病的な運動や行動、睡眠のリズムが乱れて戻せないなど、多くの病気が含まれます。また、睡眠の問題は1つの原因や病気だけでなく、いくつかの要因が重なって起こってくることも多くみられます。

睡眠障害は疾患によって治療法が異なります。「眠れない」イコール「睡眠薬治療」ではありません。症状やサイン、診察や検査から、その原因となる疾患が適切に診断され、原因に応じた治療を受けることが重要です。

  • 睡眠時無呼吸症候群
    重症度によって治療法が異なります。経鼻的持続陽圧呼吸療法(鼻CPAP療法)や口腔内装置などが使われます。肥満がある場合は、ダイエットが必要です。飲酒や睡眠薬は、かえって悪化させます。
  • むずむず脚症候群・周期性四肢運動障害
    抗てんかん薬や抗パーキンソン病薬などが使われます。専門医の診察が必要です。
  • 過眠症
    夜間十分な睡眠をとり、規則的な生活を心がける、昼休みなどに短時間の昼寝を取り入れましょう。眠気に対して中枢神経刺激薬が使用する場合もありますが、専門医による診察と検査が必要です。
  • 睡眠時随伴症
    ストレスが関係する場合があるので、ストレスの軽減につとめましょう。睡眠中の寝ぼけ行動に対しては、危険に配慮した寝室環境を整えましょう。薬物療法として、睡眠薬、抗てんかん薬、抗うつ薬、抗パーキンソン病薬などが使われます。
  • 概日リズム睡眠障害
    通常の一日のリズムに合わせるためには、朝たっぷり光を浴びるようにしましょう。休日でも同じ時刻に起床して、光を浴びるのがコツです。睡眠薬やサプリメントを使用する場合は、専門医の指導を仰ぎましょう。

また、不眠症状に応じて、睡眠薬が使用されます。抗うつ薬、抗不安薬、抗精神病薬なども使用されることがありますが医師に指示された用法や用量を守って、正しく使用することが必要です。

  • 睡眠時間にこだわらない
    年をとると必要な睡眠時間は短くなります。あまり長時間眠ることを目標とせず、年齢に合った睡眠時間を設定しましょう。
  • 眠くなってから床につく、就床時刻にこだわりすぎない
    眠ろうと意気込むと、かえって頭が冴えてきます。寝つけないままに床の中にいると、眠れないことへの不安や焦りが生じ、ますます眠れなくなってしまいます。
  • 同じ時刻に毎日起床
    何時間眠れたかにかかわらず、毎日同じ時刻に起床しましょう。
  • 眠る以外の目的で床の中で過ごさない
    床の中でテレビを見たり、読書をしたりしないようにしましょう。なかなか眠れなかったら、いったん床から離れ、自分なりのリラックスできることを行ってみましょう。
  • 昼寝は短めに、遅くとも15時前に
    長い昼寝や夕方以降の昼寝は、夜の睡眠に悪影響を及ぼします。

統合失調症

統合失調症は、脳の様々な働きをまとめることが難しくなるため心や考えがまとまりづらくなってしまう病気です。そのため気分や行動、人間関係などに影響が出てきます。
周囲から見ると、独り言を言っている、実際はないのに悪口を言われたなどの被害を訴える、話がまとまらず支離滅裂になる、人と関わらず一人でいることが多いなどのサインとして表れます。早く治療を始めるほど、回復も早いといわれていますので、周囲が様子に気づいたときは早めに専門機関に相談してみましょう。
統合失調症には、健康なときにはなかった状態が表れる陽性症状と、健康なときにあったものが失われる陰性症状があります。

統合失調症
  • 陽性症状
    主な症状は幻覚と妄想です。幻覚の中でも、周りの人には聞こえない声が聞こえる幻聴が多くみられます。
  • 陰性症状
    意欲の低下、感情表現が少なくなるなどがあります。

幻覚や妄想は、本人にはまるで現実であるように感じられるので、病気が原因にあるとはなかなか気づくことができません。
発症の原因は正確にはよくわかっていませんが、統合失調症になりやすい要因をいくつかもっている人が、仕事や人間関係のストレス、就職や結婚など人生の転機で感じる緊張などがきっかけとなり、発症するのではないかと考えられています。

統合失調症に多い幻覚や妄想の症状は、本人には気づきにくいため周りの人が気づくことが、早期発見の第一歩となります。家族や周囲の方に以下のようなサインがあることに気づいた時には、相談窓口などに相談してみてください。

  • 幻覚や妄想のサイン
    いつも不安そうで、緊張している・悪口をいわれた、いじめを受けたと訴えるが現実には何も起きていない・監視や盗聴を受けていると言うので調べたが、何も見つけられない・ぶつぶつと独り言を言っている・にやにや笑うことが多い・命令する声が聞こえると言う
  • そのほかのサイン
    • 会話や行動の障害
      話にまとまりがなく、何が言いたいのかわからない・相手の話の内容がつかめない
      作業のミスが多い
    • 意欲の障害
      打ち込んできた趣味、楽しみにしていたことに興味を示さなくなった
      人づきあいを避けて、引きこもるようになった
      何もせずにゴロゴロしている
      身なりにまったくかまわなくなり、入浴もしない
    • 感情の障害
      感情の動きが少なくなる
      他人の感情や表情についての理解が苦手になる

統合失調症の治療は、薬物療法と、心理社会療法(専門家と話をしたりリハビリテーションを行う治療)を組み合わせて行います。

  • 薬はいつまで続けるのか
    服薬期間は、個人差があり一口にはいえません。症状の安定をみながら、専門医が減量や中止の判断を行います。
    治療によって急性期の激しい症状が治まると、その後は回復期となり、徐々に長期安定にいたるというのが一般的な経過です。中にはまったく症状が出なくなる人もいますが再発を繰り返すことが多い疾患なので、自己判断で薬の量を減らしたり中止したりすると再発を誘発して重症化の危険を高めます。統合失調症は生活習慣病と同じで、症状が出ないように必要な薬を続けながら、気長に病気を管理していくことが大切です。
    「副作用がつらい」「薬をやめたい、減らしたい」などの悩みがあれば、医師に相談しましょう。
  • 心理社会的な治療
    病気の自己管理の方法を身につけたり、社会生活機能のレベル低下を防ぐ訓練などを行うもので、精神療法やリハビリテーションが含まれます。病状や生活の状態に合わせて、様々な方法が用いられます。

更年期

ただいま準備中です。

月経前症候群(PMS)・月経前気分不快障害(PMDD)

ただいま準備中です。

月経が重い

ただいま準備中です。

チック(トゥレット)

ただいま準備中です。

お子様の性の問題

少しでも多くの人に知ってほしい子どもの性的な問題行動の理解と支援のために

お子様のこのような行動に驚いたり戸惑ったりしていませんか?

  • 他の子に抱きついてしまった
  • 他の子の口、胸、おしり、性器を触った
  • 性的な画像が動画の視聴に没頭している
  • 覗きを繰り返している
  • 他の子の下着をとっていた
  • 年齢からは考えられないくらい性的な言葉や行為の知識が詳しい
  • その他性的なトラブル
お子様の性の問

性の問題行動はただの性的な遊びとは違います。 遊びは自発的で楽しいものですが、どちらかが(または関わる子ども全てが)傷ついたり苦しんだりするようなことが少しでもあれば、それは遊びとは言えません。 問題となる行動の適切な理解と支援が必要です。

  • 性的加害行為をした子どもは将来性犯罪者になるに違いない
  • 性的加害行為をする子どもは性的虐待を受けた(受けている)に違いない
  • 性的な問題は必ず繰り返すし、治らない

これらは全て誤解であり間違いです。また、子どもが性的な問題行動に至る原因はさまざまであり、そのメカニズムは複雑です。しかし、一つ一つを紐解き適切な支援を行うことで、性的な問題行動をとることなく本来の充実した生活を送ることができるようになります。

「性」という大切なことだからこそ正しい理解のもと修復と回復を支援していきたい。科学的根拠のあるアプローチがあります。

  • 保護者・養育者と取り組むバウンダリープロジェクト
    支援は保護者・養育者とともに行います。性について子どもも大人も学ぶことで問題行動の理解と支援だけでなく、より健康的な自己管理や対人関係を身につけていくことが期待されます。
  • マインドフルネストレーニングを取り入れた支援
    マインドフルネストレーニングとは、自分の内面をあるがままに見つめる取り組みで、支援ではマインドフルネストレーニングによって感情や衝動をコントロールする力をつけることを目指します。

※成人の方の性の問題に関するお悩みは、診察の際に医師に直接お問い合わせください。